プログラミング言語のはなし14
【プログラミング言語のはなし14】
「OS」こそがプログラミングにとっての最大の障壁...
今まで「まだWindows XP使ってるの!?」「Vistaはなんやったんやろ〜ね〜」「MacのOS X慣れんわ〜」とどちらかというと見下して茶化すぐらいの存在だったOSが、プログラミングしようとすると突然牙をむきだしてくるのです。
そう、あれは忘れもしない、世間がローリング・ストーンズの"START ME UP"が流れるCMとともにWindiws95ブームに沸いていたあの頃...そのお祭り騒ぎの陰で、プログラマー達は人知れず恐怖におののいていたのです。
「すわ、いざ我もWindows95でプログラミングせん!」と私も意気揚々と早速テキストを買い込み、プログラミングではお約束の"Hello World"を表示させるだけのいったいなんの意味があるのかこれ的な慣わしをしようとページを開いたところで、キーボードを打とうとしていた手が止まりました。
「...こ、これはいったいどういうことだ...わけがわからん...」
これまでC言語のテキストに書かれている"Hello World"とは、だいたい
#include <stdio.h>
int main(int argc, char *argv[])
{
printf("Hellow World");
}
ってなもんで、前に呪文のようなモノがあるけど、要はprintfっちゅうのが文字を表示してるんでしょ、とプログラミングで「実現したいことのために必要な記述」がすぐわかるものなのですが、Windows95で同じことをしようとするプログラムは、なんと50行ぐらいコードが必要で、いったい何がどう関わっているのかサッパリ読み取れないのでした。
詳細は省略しますが、一言で言えば、「プログラミングのパラダイムが全く変わってしまった」のです。
これは後に血ヘドを吐きながらWindowsプログラミングにカブリつき、なんとか慣れてくるとわかってくるのですが、これまではプログラマー様が全知全能の神として全てを支配し、コンピュータに「あれをせよ」「コレをせよ」と命令しまくるオレ様プログラミングだったのが、プログラマーは一介の御用聞きに成り下がってしまい、
「Windows様、ユーザーさんはマウスをクリックされましたでしょうか?あ、まだですか...?ではまたお伺いに参りますので...」
「あの...Windows様、大変お手数なのですが、この文字を表示したいのですが...あ、すいませんすいません、どのウィンドウに表示するかのハンドラが必要でしたね、早速確認いたします!」
とまあ、ひたすら平身低頭し、気を使いまくらなくてはならなくなったのです。
全ては「お客サマのために」...(続く)