くまちゃんのiOS/Androidゲームプログラミング

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プログラミング言語のはなし8

プログラミング言語のはなし8】
「BASIC(ベーシック)」は80年代のマイコンには標準装備され、プログラミング言語の入門用として広く普及しました。

また、日本では同時期に「マイコンBASICマガジン」という電波新聞社が発行する月刊誌が25万部以上売れるようになり、迷える子羊である初心者たちの福音書となったのです。

私もこの通称「ベーマガ」にかぶりついて、掲載されているプログラムを、母国に経典を持ち帰る僧の如くひたすら自分のマイコンに打ち込みました。なにせ自分のマイコンはあまりにもマイナーな機種だったため、この雑誌に掲載されているプログラムしかマイコンを生かす術がないのです。英語のスペルも、キーボードのQWERTY配置も慣れない小学生でも、後が無い状況に一文字一文字キーを探しながら「写経」をしたものです。

そして、ある程度数をこなして慣れてくると、打ち込んだプログラムを改造したり、マネて自分なりのプログラムを作ったりするようになります。BASICが入門用として優れている点は、わかりやすい英単語ですぐに命令を実行できるので、例えエラーが出ても直ぐにトライ&エラーでき、コンピュータの反応をひとつひとつ確認しながらスキルアップを図っていけることでした。

...そんな素晴らしいBASICならば、その後もプログラミング言語はコレ一本だけでいいんじゃないか?と思いたいところですが、残念ながらBASICには大きな欠点があったのです。

「遅い」

そう、BASICで組んだプログラムは、その実行速度がめちゃくちゃ遅いんです。

ベーマガに救われる思いをして、ひたすらプログラムを打ち込みまくっていた少年たちはある日、こう思うのです。

「...アレ?どうも、いつまでたってもゲームセンターにあるようなゲームができる気がしない。同じ機種でも、市販されているゲームはもっと絵がキレイだし音はハデだし、いっぱいキャラクターが動いてるぞ?何が違うのだ??」

実は、BASICはコンピュータがプログラム実行時にマシン語にいちいち翻訳する「インタプリタ型言語」なので、マシン語と比べて100倍以上(?)も遅くなってしまうのです。そうですねぇ、逐語通訳しながら会話しているようなものでしょうか。

そのため、少年たちが自宅でタダで死ぬ酷遊べると夢見たまともなゲームが動くハズがありません。

そして、ついに「...マシン語をやるしかない...」と悲壮な決意をするのでした...。